温肌TIPS

冷えと自律神経

「冷える」そして、「温める」ということについては、本質的な理解が必要です。そこには、体内の複合的な仕組みが関わっているからです。例えば、局部的に冷たいものを当てていれば、体全体が冷えるわけではありません。反対に、たった一度の足湯をしたり、一枚のカイロを貼ったりすることで、体全体がずっと温まるわけでもありません。「冷え」を根本から解消するのは、簡単なことではないのです。​

細胞は低体温の状態を嫌うため、健康面だけではなく、美容面においても冷えは大敵です。肌の温度が下がると、酵素の生成がスムーズに行われなくなり、細胞の活動が円滑ではなくなります。

肌の温度を適切にするためには、血行を良くすることが大切です。血行を良くするためには、自律神経を整えることが不可欠となります。体温を調節しているのは、自律神経です。

自律神経には、二つの種類があります。交感神経と副交感神経です。​交感神経は緊張した時に優位になり、副交感神経はリラックスした時に優位になります。

血管は、交感神経が強くはたらいている時に収縮し、副交感神経が強くはたらいている時に拡張します。双方がバランスよくはたらくことで、血管は収縮と拡張を繰り返し、血流が行き渡ることで体のすみずみまで熱をもたらすことができるのです。​よって、自律神経のバランスを整え、血液を正常に送り出すことが、冷えを防ぐことに繋がります。​

次の記事では、現代人の冷えの原因について、ご紹介します。​

〈教えてくださった方〉​

奈部川 貴子先生​

美容アナリスト。顔ツボセルフケア研究家。美容ジャーナリストとしてスキンケア取材を通じて「肌が内臓の鏡である」ことに気付き、世界中にある顔の反射区・ツボ療法やフェイシャルリフレクソロジーを研究。鍼灸を学びながら独自のフェイスマップ®メソッドを確立。​
著書 『美肌をつくる顔のツボ・反射区ケア 綿棒で1分押し!フェイスマッピング』​​