温肌TIPS

現代人の冷えの原因

自律神経である交感神経と副交感神経は、お互いにバランスを取り合っていますが、現代人の生活は、交感神経ばかり優位になりやすい環境にあると言えます。その結果、血管が収縮して血行が悪くなり、冷えを引き起こしているのです。​

原因として、代表的な例が、スマホの濫用です。本来リラックスするはずの距離で、リラックスできないものを見るため自律神経のバランスが乱れます。

普通、近くを見る時は、副交感神経が優位となります。近くの距離は、古来、家族など近しい存在がおり、焚火の前で心身共にリラックスしていたような空間だからです。一方、遠くを見る時は、交感神経が優位になります。遠くに眼を向ける時は、獲物がいないか、敵がいないか気にするなど緊張している場面だったからです。つまり、人間の体には、近くを見る時はリラックスし、遠くを見る時は緊張する、という仕組みが受け継がれているのです。

しかし、スマホから得る情報は、近くで見るのにもかかわらず、SNSをはじめ刺激的なことが多く、加えてスマホのブルーライトの光量の多さに眼が疲れ、交感神経がさらに優位になります。リラックスとは程遠い距離でのスマホの濫用により、自律神経の切り替えスイッチがスムーズではなくなるのです。

体温とは無関係に思えるスマホの長時間使用は、自律神経を疲弊させることで、体温の調節機能に影響を及ぼしてしまうのです。​

それだけが要因というわけではありませんが、スマホの使用は現代人の生活に大きく関わっているためストレスが大きく、自律神経のバランスを崩し、その結果、低体温を引き起こしてしまいます。昨今、昔に比べて体温が低い人が多いことの一因と言えるでしょう。​

​とはいえ、スマホを手放す生活はなかなか考えられないですよね。そこで、自律神経を整えるための工夫を、次回の記事でお届けします。

〈教えてくださった方〉​

奈部川 貴子先生​

美容アナリスト。顔ツボセルフケア研究家。美容ジャーナリストとしてスキンケア取材を通じて「肌が内臓の鏡である」ことに気付き、世界中にある顔の反射区・ツボ療法やフェイシャルリフレクソロジーを研究。鍼灸を学びながら独自のフェイスマップ®メソッドを確立。​
著書 『美肌をつくる顔のツボ・反射区ケア 綿棒で1分押し!フェイスマッピング』​​