農園REPORT

長田杏奈さんが見た秋の椿農園〈後編〉

「収穫祭」をテーマにした農園ツアーにお越しくださった長田杏奈さん。農園で感じた様子をレポートしていただきました。

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五島の椿は、小ぶりだけれどみっちりと「油の入りがいい」種をつけるのが特長。夏の終わりの台風シーズンの前に、熟した実をひとつひとつ丁寧に手摘みするのが伝統だ。

落ちた実を拾うよりも手間暇はかかるけれど、清潔で上質な実を収穫するには手摘みに限るとか。本来は15mほどに伸びる藪椿が、農園では人の手の届きやすい樹高に育っているのはそのため。

その年や木によって実が熟すタイミングはまちまちだけれど、実が熟しているかどうかの見極めはなかなかの職人技。名探偵のように木全体をくまなく眺め、枝先に花芽が膨らんでいるか、同じ木に熟して割れた実があるか、種をひとつ割ってみて黄色くなっているかをつぶさに観察する必要がある。

収穫から2、3日後、「かたし」と呼ばれる果皮が割れるのを待って種を取り出し、5日間ほど天日干しに。油の入りがいいずっしり重くて黒々とした種を選んで、搾油所に持って行く。

まるまると太った実を手に取り、「いつも私の肌をつやつやにしてくれるのは、あなただったのね」としみじみ眺める。一個約50gの椿の実から5gの種が取れる。15mLの椿油を搾るには、100個の種が必要だという。

そう考えると、椿油たっぷりのON&DOのアイテムには、椿の種が100個も200個も使われている計算になるかしら? 海風に吹かれながらたくましく育つ 椿たちと、その間をニコニコと巡る農園の人たち。原料や作り手の顔が思い切り見えた収穫祭のあとは、ON&DOのスキンケアを使うたび、「ありがとう。元気かい?」とボトルを抱きしめたくなる。

〈レポーター〉​

長田 杏奈さん

ライターとして、美容をメインにインタビューやフェムケアなどを執筆。また椿がきっかけで園芸にはまり、十数品種を栽培するほどの椿マニア。podcast「なんかなんかコスメ」を配信中。著書「美容は自尊心の筋トレ」など。