温肌TIPS

ストレスによる不調を感じる方へ~温活セルフケア法~

現代人は、スマホを日常的に長時間使用し、交感神経が優位になる傾向があります。さらに日々忙しく仕事をしていると交感神経がより高まり、心身共に緊張してしまいます。交感神経そのものが悪者なのではありません。しかし、「常に」交感神経が優位に働いていると血管が収縮します。その結果、美容面だけではなく心身にとって望ましくない状態になってしまうのです。

今回は、副交感神経を優位にし、自律神経を整えていくためのセルフケアの方法をお伝えします。

体の表面において、自律神経2種類のそれぞれの分布は決まっています。副交感神経の働きは、耳のあたりの皮膚を刺激することで高められると考えられています。 これは東洋医学の知見に基づいた仮説で、現在も研究が進められていますが、実際に効果を感じた方が多くいらっしゃいます。

耳のあたりの皮膚にアプローチするため、「耳たたみ」と「耳まわし」を行ってみましょう。
耳は、前後だけではなく、上下にもたたみます。耳は軟骨ですから、折れたりすることはありません。耳たたみのあとは、耳の横か耳たぶを優しく指先で持って、くるくるとまわしましょう。

今の時季は気圧の変動が大きく、そのために体調を崩してしまう方もいらっしゃると思いますが、耳まわりのアプローチは自律神経を整えるだけではなく、気圧から生じる不調にも効果的です。自律神経が整うと、もちろん冷えの対策にもなります。

また、メンタルの不調に効果的なのが「MS線」を押しさするケアです。
MS線のMSとはmicro system の頭文字で、具体的には額の前髪の生え際に沿って、生え際をはさむ上下各1cmのラインのことです。 このゾーンには、自律神経を整えるポイントが連なっています。「ツボとツボを繋いだライン(線)のようなもの」とも言えます。頭の鍼療法に用いるものでWHOに認定されています。

メンタルの不調で悩まれている方に対して、頭皮に鍼をうつことがあります。こちらは大変有効な方法で、メンタルの不調に大きな改善効果があります。MS線は、頭皮に鍼をうつ場所でもあるのです。実際に鍼をうたず、ご自分でセルフケアされるだけでも効果があります。

MS線は側頭部も含め、頭部に何本も存在しますが、今回お伝えするのは5本です。 イラストの線の位置を参考にして、人さし指の第二関節の指の角を当て、上下に押しさすりましょう。

副交感神経を優位にするケアというと眠くなりそうですが、こちらの方法は眠くなりにくいため、外出先やお仕事の合間でも行えます。

心と肌は繋がっていますので、ストレスを感じた時にもぜひセルフケアに取り入れてみてください。

〈教えてくださった方〉​

奈部川 貴子先生​

美容アナリスト。顔ツボセルフケア研究家。美容ジャーナリストとしてスキンケア取材を通じて「肌が内臓の鏡である」ことに気付き、世界中にある顔の反射区・ツボ療法やフェイシャルリフレクソロジーを研究。鍼灸を学びながら独自のフェイスマップ®メソッドを確立。鍼灸師。​
著書 『美肌をつくる顔のツボ・反射区ケア 綿棒で1分押し!フェイスマッピング』​​(学研プラス)